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第8話 初詣 Side心翔
部屋に戻ると優ちゃんはベッドに腰掛けてパンダを抱きしめていた。
「はい。汗拭いて飲み物お茶しかなかった」
俺は横に腰掛けてパンダを奪い取るとタオルとペットボトルのお茶を渡した。
パンダに妬ける。
優ちゃんが抱きついたりは俺だけだったのに新たなライバルが現れた。
「ありがとう。どうしたの?パンダに何かついてる?」
「いや、何も無い。可愛いよなパンダ」
「うん。抱き心地が良いよ。それと・・・・・心翔の匂いがする」
「俺の?」
俺はパンダの頭に顔を近づけて匂いを嗅いでみたけど優ちゃんの匂いしかわからない。
「これ、優ちゃんの・・・・・匂い・・・」
俺が優ちゃんの匂いがする事を言おうとして優ちゃんの方を見ると耳まで真っ赤にして俺を見ていた。
パンダの匂いを嗅いでいるだけなのに赤くなるんだ?
「優ちゃん、顔が赤い」
腕を伸ばして優ちゃんの頬に触れるとビクッと身体を反応させて瞳は潤んでいた。
参ったな顔赤くしてそんな反応されたら理性が抑えれない。
「僕・・・・・身体が熱いよ」
「熱ある?」
額同士を合わせようと顔を近づけると顔の赤みが増してくる。
頬に触れているから分かるが熱は無い。
どうして優ちゃんがこんな反応をしているかは何となく分かってしまった。
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