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第3話 監禁 Side久登

参拝が終わり帰ろうと歩いていると知らない男性が僕と正臣に話しかけてきた。 宮崎と名乗った男は八坂優月の知り合いだと言って少し話がしたいと脇道に僕たち2人を連れて行った。 正臣は怪しいと思ったのか適当に話を合わせて帰ろうとしていたんだ。 その時、宮崎が僕の腕を掴み引き寄せると僕の首筋にナイフを突き付けてきた。 「こいつを返して欲しかったら八坂優月を連れてこい」 「離せ!!!!!」 「絶対に八坂優月を連れてこい。連れてこないとこいつがどうなるか分からないからな!」 正臣は僕の首筋に当てられているナイフを気にして男に近づけないでいた。 僕は正臣のあんなに焦っている姿を初めて見た。 僕の事で心配させている。 正臣に話しかけたかったが動いてしまうと首筋にあるナイフが容赦なく突き刺してきそうで僕は何もする事が出来なかった。 そしてそのまま車の所まで連れて行かれると手を紐のような物で縛られて目隠しをされてしまった。 僕は何処に連れて行かれるんだろう? 顔を見たから殺されたりするのかな? 急に怖くなり身体がガタガタと震えてくる。 正臣、側に行きたい。

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