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第13話 監禁 Side久登
「久登、大丈夫か?怖いか?」
僕は首を横に振った。
優月君の事を聞きたいけど上手く話せないのがもどかしくて目から涙がこぼれ落ちる。
「大丈夫だから久登。もう怖い思いはさせないから絶対」
僕はコクコクと頷いた。
遥先生と聖先生の質問にも頷くか首を振るだけで良いと言われた。
お2人の質問に答え始めてから20分くらい経った頃に病室のドアが開いた。
ドアの所を見ると心翔君と優月君が2人で立っていた。
「来てくれたんだ。ありがとう」
正臣は2人にお礼を言っている。
「ごめん。正臣に鈴木君。僕と関わったから・・・本当にごめん」
優月君が頭を下げている。
確かに優月君と話をしたからだけど僕は優月君が悪いとは思っていなかった。
優月君が身代わりに宮崎の元に行かなくて良かったと思っている。
伝えたいけれど声が出ない。
優月君の側で心翔君も頭を下げている。
確かに正臣との関係を知り僕は優月君が嫌いだったけどそれは正臣と付き合う前である。
本当に嫌ってるわけじゃない。
僕は正臣の腕を掴んで口をパクパクと動して伝えて貰いたかった。
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