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第14話 監禁 Side久登

正臣は僕の頭を優しく撫でながら微笑んでくれる。 2人だけの時に見せて貰えない正臣の笑顔。 嬉しくてドキドキしてしまう。 でも宮崎に何をされたかを僕はまだ正臣に話せていない。 それを知っても正臣は変わらず笑顔を見せてくれるだろうか? 「久登が気にしなくて良いと言っている。上手く話せないんだ。元気になったらまた久登と会いに行って良いだろうか?」 「ありがとう。鈴木君が嫌じゃないなら僕も話がしたい」 優月君が泣きながら言ってる側で肩を抱きしめて優しく見つめてる心翔君。 僕もあんな風に正臣にして貰えるだろうか? 話が出来ないのがもどかしい。 あまり話をすると疲れてしまうからと聖先生には止められていた。 優月君と心翔君は聖先生と遥先生に長く居ないようにと言われたらしくて10分くらいで帰ってしまった。 側で正臣は僕の手を握りしめてくれている。 「あ・・・りが・・・とう・・・まさ・・お・・・み」 僕は2人に伝えてくれた事のお礼を言うと正臣は微笑んで優しく額に唇を当ててくれた。 正臣の優しさが苦しくて泣きそうになる。 早く正臣に言わなきゃダメだ。 例え別れようと言われても正臣には正直に話したい。 上手く話が出来るまでほんの少しの間だけ正臣の優しさを僕に下さい。

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