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第3話 バレンタイン
今年のバレンタインは日曜日だったので僕達は土曜日の午前中に待ち合わせをして材料の買い出しに出かけた。
「凄い人だね。女の子だらけだけど僕達浮いてるような気がするよ優月君」
「そうだね。茜ちゃんにでも頼めば良かったかな?直」
「少ないけど男性も居るよ」
久登がそう言って手作りのコーナーにいる男性を指差した。
僕達みたいに同性同士でお付き合いしているのかな?
それとも友チョコ?
どちらにしろ男性も居るから少しは恥ずかしくなかった。
「あの子達、可愛いよね」
「本当だ。でも男の子でしょう?」
3人で材料を探しているとそんな会話が耳に入ってくる。
僕達を可愛いと言って勝手に写メを撮ろうとする女の子達や撮ってしまった女の子達が数人いたけど全員久登が注意をして画像を消去させていた。
さすが正臣と付き合ってる事はある。
それに生徒会のメンバーだから手慣れた感じがするよ。
「正臣の写メを撮る生徒が居るからね。注意をする事は慣れているんだ」
「だから、手際良く写メを消去させれたんだね。凄いよ久登君」
本当に凄く丁寧に対応していたが言葉の端に棘がある言い方をするもんだから女の子達は反論もせずに言う事を聞いてくれていた。
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