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第5話 バレンタイン
材料も買ってラッピング用の箱とかリボンも買い揃えて後は家に帰って明日の為に手作りのチョコを作るのみとなった。
「楽しみだね」
直が嬉しそうに笑うと僕も久登君もつられて笑ってしまっていた。
少し前までは3人で仲良く笑ったり遊んだりなんて想像出来なかった。
家に帰って来てから材料をテーブルに並べて僕と久登君は睨めっこしていたが直は手際良く道具を用意し始めた。
「ブラウニーから作ろうと思うんだけど良いかな?」
「うん。直に任せるよ。なっ、久登君」
「そうですね。直君に任せるので何かあれば言ってください」
久登君の動揺が凄く分かる。
何故か敬語になってるし直と目を合わさない様にしている。
まるで授業中にこの問題当たりませんようにみたいな感じに見えてくる。
「じゃあ、始めるね」
僕と久登君は無言で頷いて直のする事をジッと見つめていた。
やっぱり手際が良くてただ立ち尽くして直の事を見ていることしかできなかった。
ブラウニーは元々直が作りたかったんだと後で教えてもらったんだ。
僕と久登は直の指導の元でトリュフを作り始めた。
チョコを湯煎で溶かしたりなんだか凄く面白くなってきて久登君も楽しいと言って2人で夢中でトリュフを作っていた。
ワイワイと作ってるうちにブラウニーも焼けたみたいでキッチンには良い香りが漂っていた。
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