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第7話 バレンタイン
「桃お姉様、久登君が困ってるよ」
「あらっ?なら優月が可愛くなりたいの?」
「誰もそんな事を言ってないでしょう?もう嫌だからね」
僕と桃お姉様の会話で何かを思い出したのか久登君が首を横に振った。
「僕も申し訳ありませんがこのままで結構です。可愛いとかは正臣が決める事ですので正臣だけに可愛いとかは言ってもらえたらそれで満足です」
「じゃあ、正臣君が見たいって言ったらいいの?」
「それは・・・・・・」
久登君が嫌でも正臣が見たいって言ったら女の子の姿になるよ。
「桃お姉様、正臣が言ったら久登君が断れないのわかってるでしょう?僕達は女の子の姿になるなんて嫌なんだよ。それに心翔達だってそんな事を望んでないのは知ってるでしょう?」
「優月君・・・ありがとう」
あんな思いをする人達を増やすなんてダメだよ。
確かに今の姿だと人目を気にしたりしないとダメだけどね。
正臣は気にしないで久登君と手を繋いで歩いたりしそうだもん。
「分かったわ。ごめんなさいね。明日のデート楽しんできてね」
「ありがとうございます。それと僕の学校に男の娘がいるので今度お店に行かせてもらいます」
「本当に、楽しみにしてるわ」
男の娘がいるの?
正臣だから厳しくしていそうだけど多分内心は自由にさせてあげたいとか思ってるんだよね。
桃お姉様はガッカリはしていたけど男の娘の話を聞いてご機嫌でキッチンを出て行った。
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