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第9話 バレンタイン

川沿いのテラスがあるカフェに立ち寄った。 ここはパンケーキが美味しくて有名で当日に行っても何時間も待ちになる。 心翔は早くから川沿いのテラスに予約席を取っていてくれた。 予約席を取るのも大変だったと思うんだけど店長さんが伯父さんと知り合いらしくて特別に席を用意してくれたんだ。 「特別な席。囲いがあるから個室みたいだろう?」 「うん。木目の衝立で囲ってるんだね。落ち着く感じがする」 白いテーブルに白い木目の衝立が清潔感があって落ち着く感じだった。 本当は衝立なんて無い席なんだと後で分かった。 これも心翔の伯父さんの力なんだと感じてしまう。 僕はフルーツがたくさん添えられたパンケーキとホットココア。 心翔はお店のオススメとホットカフェラテ。 外だけど足元にはヒーターが置いてあるし膝掛けとかを用意してくれていたからあまり寒さを感じさせなかった。 それに今日は天気が良かった。 「今日は天気が良くて暖かい日だから良かったね。心翔」 「そうだな、雪とかでも降ってたら呑気に座ってられないからな天気で良かった」 たわいも無い会話をしながらパンケーキが出てくるのを待っていた。 ポカポカな暖かい時間が2人の間を過ぎていった。

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