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第12話 バレンタイン

ショッピングモールに心翔が欲しい靴があるからと見に来たけどやはり雑誌の特集を読んで心翔のファンという女の子達に囲まれてしまった。 チョコレートを渡してくれる女の子達がいたけど心翔は彼女が居るからと丁寧に断っていた。 あんなに女の子に囲まれていたら僕は近づけないよ。 僕は心翔から女の子達が離れるのを少し離れた場所で見ていたけど時間が掛かりそうだから僕は雑貨店に入って色々と見ていた。 心翔の周りの子達はみんな可愛かった。 それになんだよ。 「女の子に、囲まれて嬉しそうにしてムカつくよ」 「だよなぁ〜。俺みたいな凡人なんて霞むよ」 僕はビックリして横を見ると隣に知らない男性が居て雑貨を手に取りながら言った。 「でも、君は可愛いから女の子にもてそうだな?」 「あの・・・・・・」 「ごめんごめん。俺の彼女がさアイツを見に行ってしまって1人にされたわけよ。そしたら君がアイツ見て溜息ついたり泣きそうな顔してるの見て気になってさキモいよな?」 そう言って手に取って見ていた雑貨を無造作に置いて立ち去ろうとしたから僕は思わず腕を掴んでしまった。 どうしてそうしたのか分からないけどこのまま行かせたらダメな気がしたんだ。 「あの、僕も1人になったから彼女が戻るまでお話しをしませんか?」 「えっ?あ・・・うん。俺は多崎泰志(たざきやすし)だ。泰志で良いよ。26歳の平凡なサラリーマン」 「僕は、八坂優月です。高校1年であそこに居る心翔は、僕の・・・・幼馴染なんです」 彼氏って言いかけて言葉を飲み込み幼馴染と言い直した。

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