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第15話 バレンタイン

「何してんの?」 低い声が聞こえてくる。 目を開けるとそこには凄く冷たい目をした心翔が立っていた。 「えっ?」 次の瞬間、泰志は心翔に肩を強く掴まれて僕から引き剥がされソファに突き飛ばされていた。 泰志は何が起こっているか理解ができていなくて呆然としている。 「何をしてるか聞いてるんだけど?お前誰だよ」 泰志の襟首を掴み今にも殴りそうな心翔の腕を僕は慌て掴んだ。 けど僕を見る心翔の目は冷たい感じのままだった。 「放せよ」 冷たく言い放たれた言葉が胸にチクチクと刺さりジワジワと痛みが浸透していく感じだった。 心翔が凄く怒ってる。 きっと僕にも怒ってる。 「あの・・・・・」 状況を説明しようとしたけれど心翔の冷たい視線に声が出なくて何も言えなくなった。 ちゃんと話をしないといけないのに・・・・・・。 「ふざけてただけだよ。男同士なんてありえないだろ?」 男同士なんてありえないと言う泰志にキスをされて大切な人を傷つけてしまった。 ごめんね心翔・・・・・・・ごめんなさい。 僕の目からは涙がポロポロと落ちていくけれどいつもみたいに心翔の優しくて暖かな手は僕に触れようとはしてくれない。

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