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第17話 バレンタイン

心翔は僕を見て微笑した。 襟首を掴まれている泰志も何がと言った感じの表情で僕を見ている。 「痛くはしないが寝かさないかもしれない」 『えっ?』 僕と泰志の驚く声が重なった。 寝かさないかもしれないってどう言う事? 「2人は・・・・」 泰志は心翔を見て何かを聞きたいけどそれは聞いてはいけないかも知れないと言う顔をした。 「やってますよ」 「心翔!」 初対面の人にそれを話すの? 僕達が付き合ってるだけでも初めて会う人に話すなんて大丈夫なの? 「参った。本当に俺が悪かったよ。俺の彼女が同じ目にあったら心翔君と同じ様にしていた」 「分かって貰えたなら俺達の事は秘密にしといて下さい」 「言えるわけ無いだろ?経緯聞かれたら俺も困る」 確かにどうして知ってるのかって聞かれたら答えに困るかも知れない。 泰志は悪い人じゃ無いみたいだから? 僕に手を出した時点で悪い人? でも約束とかは守ってくれそうな人だから信じていいかな? 「泰志!やっと・・・えっ?嘘」 彼女が泰志を見つけて慌て近寄ってきたが心翔に気づいて固まってしまった。 「心翔君のファンだよ。俺の彼女」 「そうなんですか?でも俺はモデルさんとかと違うのですみません」 泰志から手を放して心翔は2人に対して頭を下げた。 それから泰志にもう一度クギを刺すと僕の腕を掴み歩き出した。

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