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第25話 バレンタイン

あの後、個室から心翔を追い出して中にある心翔の欲を1人で掻き出しトイレから出ると心翔はトイレの近くの通路のソファに座り眠っていた。 僕はその隣に座り心翔の寝顔を横から眺めていた。 やっぱり寝ていてもカッコイイよなぁ〜。 そう思いながら心翔の顔に近寄っていくと急に目が見開き僕はビックリして後ろに体が仰け反りそうになると心翔の手は僕の後頭部をしっかりと掴んだ。 「起きてたの?」 「いや、寝てたけど優ちゃんの良い匂いがした」 「えっ?僕は何も付けてないよ?」 「俺にだけ分かる匂いがしたんだよ」 心翔はそう言って僕の首のあたりに顔を埋めて唇を当てる。 「心翔とダメだよ。人がきちゃうから・・・つぅ・・・・痛いよ何したの?」 ゆっくりと顔を上げニヤリッと笑いながら心翔がクスクスと笑いだした。 「何?本当に何したの?」 「それ、分かって聞いてる?本当に分からないの?」 「分からないから聞いてる」 「やっぱり優ちゃんには必要だよな・・・・・虫除け。天然過ぎるから心配」 虫除け? キスマークの事? 嘘・・・最近は付けようとしなかったよ。 「あっ・・・へっ・・どうして?それに心翔が付けた場所って隠れない」 「どうして?それは、さっきみたいな事があると心配だから見える所に付けたんだ」 「う・・・うん。ごめんね」 「いいよ。それより口を開けてよ」 「口?」 僕は少し首を横に傾げながら心翔に言われた通りに口を開けると口の中にポイッて何かが入ってきた。 それは口の中で蕩けていった。 甘い甘いチョコレート。 「ハッピーバレンタイン。ずっとこれからも優ちゃんと同じ時を過ごせますように好きだよ」 「心翔・・・うん。好き心翔が大好き!」 僕は心翔に抱きついて唇に軽くキスをした。 此処が人が来るかもしれない場所とかもうどうでもよかった。 誰に見られても誰かに何かを言われても僕は心翔を好きだって気持ちは止められないし止まらない。 僕は心翔だけだからこの先も心翔だけだよ。

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