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第26話 バレンタイン

僕は心翔に渡すはずのバレンタインチョコが入った紙袋を何処かに置いてきてしまった。 心翔も一緒に探してくれたけど結局見つからない。 「俺もあんまり覚えてないけどパンケーキを食べてる時には優ちゃん紙袋を持ってなかったと思うんだけど?」 「僕が家に出る時は中身を確認したんだ。それから靴を履いて玄関を・・・・・玄関?」 フッとその時の状況が鮮明に思い出された。 「ごめん!僕は靴履くのに下駄箱の上に紙袋を置いたかもしれない。で、持たずに家を・・・出た」 「プッ・・・優ちゃんらしい」 心翔は口を押さえて下を向いて笑うのを堪えようとしているけど小刻みに肩が動いていた。 その隣で僕は家に連絡をしている。 すぐに春子お母さんが電話に出てくれて玄関の下駄箱の上に紙袋があるか見に行ってくれるとやはり紙袋が置かれていた。 「優ちゃんの家に行きますか?」 「うん」 「楽しみだ。優ちゃんからの手づくりチョコレート」 心翔が僕を見て嬉しいそうに笑ってくれた。 僕も心翔が嬉しそうにしてくれているから凄く幸せな気持ちになった。

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