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第4話 バレンタイン Side直
もうすぐ13時になろうとしている。
僕が待ち合わせ場所間違えたのかな?
もしかして11時にとかじゃ無くて1時にだったのかな?
メールを確認するけど場所と時間はあっている。
携帯画面に心輝と2人でクリスマスに仲良く撮った画像を待ち受けにしている。
これは女の子の姿になる前の僕だ。
その画面を見つめているとまた目から涙が溢れ出して来てポタポタと涙が画面に落ちていった。
「まだ君いたの?」
顔を上げるとさっきの優しそうな男性が僕を見てビックリした顔をしていた。
「泣いてる?何かあったのか?」
「あっ・・・眼にゴミが入ってしまったみたい。すみません」
こんな人通りが多い場所で泣いてたら心輝が来たら困らせてしまう。
泣きやまなきゃダメだ。
けれど涙が止まらないよ。
「こっち来て!」
「えっ、あのダメです!」
男性が僕の腕を掴み強引に歩き出そうとしたから僕は腕を引いて全力で抵抗した。
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