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第10話 バレンタイン Side直
心輝はクスッと笑うと体を反転させると便座のフタの上に座った。
「直、向かい合わせに座って欲しい」
「えっ?」
「いや?」
「ちがっ・・・近くは恥ずかしい・・・・」
向かい合わせに座ると心輝の顔が近くて恥ずかしいよ。
でも心輝にもっと触れて欲しくて僕の蕾はさっきから熱いくらいにムズムズとしている。
心輝は僕を見つめたまま黙り込んでいるし・・・・・・。
えいっ!
心を決めてドカッと目を瞑って心輝の上に座る。
「イッ・・・。クスクス。気合いを入れて座る事か直?可愛すぎるんだよ。そのまま目を閉じてろよ」
僕はコクコクと頷いてると心輝の唇が僕の唇に重なる。
それからゆっくりと心輝の・・・?
心輝の舌って硬かった?
甘くて口の中でフワッてチョコの・・・・・・。
「ウウッ!!!!!」
気づいた時には後頭部をガッチリと押さえ付けられて心輝の口の中に合ったであろうチョコレートが全て僕の口の中に入っていた。
心輝の舌と絡みながら口の中でチョコレートが溶けていき僕はゆっくりとねっとり絡まる舌のチョコレートの味を堪能していた。
頭の中まで溶けていく感じ・・・・・・。
「直に特別なチョコレートだ。喜んでくれたら嬉しいんだけど?」
「へっ・・・?あっ・・・・・・嬉しいです」
僕は下を向いて心輝に返事をした。
さっきのチョコレートの味がまだ口の中に広がっていて頭が思考停止寸前だった。
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