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第11話 バレンタイン Side直

心輝は僕の頬にそっと手を伸ばして優しく触れてくれた。 「どうして敬語?」 「へっ?あっ・・・ゴメンなさい」 「何、謝ってんの?可愛すぎるんだよ直」 「うっ・・・・ひやぁッ!!!!!」 僕は心輝に下から思いっきり突き上げられて思わず大きな声を出してしまった。 「声、抑えないと聞こえるぞ直」 心輝は耳元で囁くと舌でペロリとまるで犬みたいに僕の頬を舐めてニヤリと笑った。 僕は昔の心輝を知っている。 こんな意地悪く笑う人じゃなくて風は吹いていないが爽やかな風が笑うと吹いてくる感じの人だった。 それは作り出された心輝。 僕の目の前で意地悪く笑った心輝が本物で未だに学校では昔の心輝をたまに演じている。 僕といる時はこっちの心輝だよ。 「し・・・ウヴッ・・・・」 話そうとしたら唇で口を塞がれてしまい離れようにもまた後頭部を手で押さえつけられていて逃げれなかった。 「うわっ、これ忘れ物?チョコレートかな?」 「マジで?カードが入ってる。手作りかよ。彼女からかな?」 「いいなぁ〜。俺も貰いたいわ」 さっき、顔を洗う時に鏡の前に置いたんだ。 どうしよう・・・捨てられたりしませんように・・・・・。 僕はチョコレートを捨てられたり持ち去られないが心配で心輝とのキスが夢中になれなかった。 それに気がついた心輝が下からガンガンと僕の1番感じる場所に当たるように突き上げてきた。

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