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第15話 バレンタイン Side直

僕達は心輝のお父さんが経営するホテルの1室にいた。 シャワーを浴びて用意されていたバスローブに身を包みソファに座り僕が作ったブラウニーケーキとトリュフをテーブルに並べて暖かな紅茶を淹れている。 「直はミルクだろ?」 「うん。ありがとう」 紅茶の香りとチョコレートの甘い香りが漂う。 「捨てられずに済んで良かった」 「直、ありがとう。食べていいか?」 「うん。甘さ控えめだよ」 心輝が僕を見て優しく笑うとフォークでブラウニーケーキを一口サイズに切り分けて口へ運んだ。 食べてそのまま口を押さえて僕を見つめる。 「えっ?不味かった?ダメならここにだしてよ」 「そんなわけ無いだろ!すげぇ〜美味いよ。ありがとう直」 心輝は嬉しそうに僕に抱きついてくる。 「良かった。心輝が喜んでくれて僕は嬉しい」 「本当に今日はごめんな」 「人助けしてたんだから気にしないで心輝。それに凄く心輝はかっこ良かった。僕ね。ドキドキしてたんだ」 心輝は凄くかっこ良かった。 僕は心輝に出逢えて好きになって本当によかった。 心輝の胸に顔を埋めて少しだけ甘えてみたくなったんだ。 今日ぐらいは良いよね? そう思っていたら顔を上げさせられて優しく心輝の唇が僕の唇に触れた。 この後、また僕達は互いの肌に触れて熱を求めあった。 心輝に触れているのは心地よくて蕩けてしまう。 好きだよ心輝。

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