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第7話 もう少しで
教室に戻るとウサちゃんと心輝は自分の教室に戻ったらしく直も自分の席に座っていた。
そう言えば心翔と直が2人だけで話しているの見たことないかもしれないや多分。
僕が心翔を見ていると背後から小さな声が聞こえて来る。
「あの・・・八坂君。予鈴なりそうなんで僕、教室に戻ります」
「えっ?せっかく来たのに心翔を呼ぼうか?」
「いいです。なんか話せない気がしてきたのですみません」
「なら、明日。昼に教室においでよ。あっ、僕が迎えに行くよ。何組?」
「心輝君と同じです」
えっ?
もしかして2年生。
イヤイヤ、心輝と同じクラスなら2年だよね。
「あっ、ごめんなさい。僕、タメ口でした」
「いえ、いつも1年に間違えられちゃうんで気にしないで下さい。それにまだ編入して1カ月位しか経ってないのですみません。僕、教室に戻りますね」
天使さんは、頭を下げて自分の教室に戻って行った。
戻り際の笑顔が可愛くて本当に天使さんに見えるんだけど男の子にしているのは勿体無い気がしてくる。
「何を見て顔が赤くなってるの優ちゃん」
「あのね。天使に会ったんだって、心翔!?」
「天使?ふう〜ん。さっき話してた奴?」
「心翔も見た?凄く可愛いよね。トイレに行ったら居たんだよ天使。あっ、心翔と話したいみたいなんだ」
「ハイハイ。俺の天使は天使を見て興奮気味に話してるんだけどな優ちゃん」
興奮気味?
確かに天使を見てから少しだけテンションが上がり気味かもしれないけど好きとかでテンションが上がってるわけでも無い。
けどこのパターンは心翔が怒ってる感じなんだけど僕の身が危ない。
「もうすぐ先生来るから席にもどろっかなぁ〜」
心翔の横をすり抜けて席に戻ろうとすると耳元で囁かれた。
「放課後、物置部屋だ」
「!!!!!」
声にならなくて心翔の顔を見ると意地悪く笑っていた。
けど目は笑っていなくてやっぱり僕の身が危ない怖くなり慌て席に着いた。
何をされちゃうのかな?
何かされるのを期待しているみたいで恥ずかしすぎる。
その日の午後は言うまでもなく物置部屋の事を考えていて頭に何も入りませんでした。
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