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第15話 もう少しで
天月さんがぐっと顔を近づけて来るのを僕はとっさに後ろに避けようとしてバランスを崩し倒れそうになった。
「優ちゃん!!!」
「うわぁっ!」
「優月君!」
横にいた心翔がとっさに僕を抱き寄せて心翔の腕の中に包み込まれた形になる。
そして、僕の腕を掴んでいる天月さんの腕を掴んだ。
「優ちゃんに触らないで下さい。天月さん」
「えっと・・・・。あっ、うん。ごめんね優月君」
天月さんが泣きそうな顔をしている。
僕からは心翔の表情が分からないけれど声のトーンで怒っているのが分かる。
天月さんもオドオドとし始めた。
「心翔、僕は大丈夫だからね」
振り返るとやっぱり怖い顔をした心翔がいた。
怒ると僕でも怖いのに天月さんならもっと怖いよね。
「心翔、取り敢えず離してよ。もう平気だよ」
「分かった」
僕はホッとして天月さんを見たら一瞬だけ見てはいけない表情を見たかも知れない。
心翔は気付いていないけど・・・・・・。
泣きそう顔をしながら口元が不気味に笑っていたんだ。
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