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第22話 もう少しで

天月さんが混じってお昼を食べだしてから1週間が経とうとしていたが今日は僕達の教室にまだ来ていない。 何だか嫌な胸騒ぎがする。 心翔は先生に呼ばれていて側にいないし心輝と直、冬空君とウサちゃん達4人は食堂に行っている。 僕は心翔を待っていられずに天月さんの教室に行った。 中を覗いても居なくて隣の教室にも見に行ったが2人は教室に居なかった。 「あいつら、マジで天月と橘をやるのか?」 「体育倉庫に連れて行ったみたいだぜ俺も行こうかな?」 「俺、天月ならいい。イケる」 「だよな、天月可愛いから良いよなぁ〜。本当に男かって感じだよ」 前から来る2年生2人組みの男子生徒の話声が聞こえてくる。 その会話に僕の中で何かが切れた音がして2人組みの前に立ちはだかってしまった。 「なんだ1年」 「イケるって何がですか?」 「人の話聞いてんじゃねぇ〜よ」 「馬鹿でかい声で話してたら嫌でも聞こえますよ」 僕は怒りを抑える事が出来なくなっていた。 僕の態度に腹を立てた2人組みの男子生徒が殴りかかってきたがそれを避けると勝手に2人共が派手に転んだ。 騒ぎを聞きつけて何人かの生徒が廊下に出てきた。 「あの子、トラジさんとかと仲良くしてる子じゃない?」 周りの声に2人組みは僕を見て後ずさりし出した。 「別に先輩方を殴るとかはしないですよ」 「ほっ・・・本当か?」 「僕の大切な友人。橘賢吾先輩と天月使颯先輩に何もしないならね」 「し・・・・しない」 2人共が泣きそうな顔になっている。 ウサちゃんの名前が出るかと思ったけどクマちゃんの方が効き目あるのかな? 「あれ?ゆづさん。何してるんすか?」 「クマちゃん。急いで体育倉庫に行きたいんだけどね。一緒に来てくれる?」 「ゆづさんの頼みなら行きますよ」 ナイスタイミングでクマちゃんの登場に周りはザワザワとし始める。 これで橘さんと天月さんには暫く手は出せないよね。

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