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第6話 もう少しで Side使颯

それから僕は心翔君に告白をしたがあっさりとフラれてしまった。 脅しても無理で僕もこんな強さがあれば良かった。 僕が考えていた以上に2人は真っ直ぐで真剣に愛し合っているのがヒシヒシと伝わってきた。 僕が入る隙なんて全くないんだと分かる。 優月君はこんな僕にも優しくて少しだけ・・・かなり天然なのかと思った。 心翔君は優月君には優しいけど優月君に絡む僕は敵みたいで凄く恐い顔つきになるんだよ。 フラれて僕は2人の事を考えながら歩いていたら教室に来てしまっていた。 この時間は生徒は残って無いはずだから・・・・・。 真っ暗な教室。 目を凝らして見ると人の足みたいなのが見えた。 えっ? 声を上げそうになり慌てて口を手で押さえて息を整えてからゆっくりと近づいた。 そこに倒れていたのはあの男子生徒。 僕は自分の教室に来たのだと思っていたが隣の教室に来ていたと男子生徒を見て理解した。 「あの・・・大丈夫?」 僕は横にしゃがみ込んで声を恐る恐る掛けてみたが返事が無くて息をしているのかさえ分からない。 気を失ってるのかな? 胸に耳を当てて心臓の鼓動が聞こえるか確認してみるとトクントクンと聞こえてくる。 「良かった・・・・・」 安心して胸から顔を離すと頬にニュルッとした物が付いたのに気がついて手で拭い取るとそれは白濁した欲だとすぐにわかった。 男子生徒の事に気を取られていて耳を当てた時は気づかなかったのだ。

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