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第7話 もう少しで Side使颯
酷いよ・・・どうしてこんな仕打ちが出来るの?
「ヒクッ・・・・うゔっ・・・・・」
男子生徒を見ていたら自分と重なり涙が次から次へと目から零れ落ち頬を伝い床に落ちていった。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「へっ?」
男子生徒は身体を起こして僕が泣いているのを気遣う様に声を掛けてくれた。
明らかに僕より大丈夫に見えない男子生徒はこんな誰か分からない僕の心配をしてくれている。
「もしかして、何かされましたか?怪我してないですか?」
「どうして・・・・・君の方が・・・大丈夫じゃないよね」
「あっ・・・すみません。気持ち悪いですよね」
「そうじゃなくて!そうじゃないよ」
僕は自分がまた悪夢にうなされるのが嫌で逃げて男子生徒の事も見ない様にしてたこんな僕をどうして心配するの?
「俺は・・・いつもだから・・・・天月君が何かされたら俺とこの前話してた事が原因だと思って巻き込んじゃったかもとか心配したんだ。こんな事をされるの俺・・・俺だけ・・・・で・・・・・・」
最後の方は男子生徒も泣いて言葉になっていなかった。
自分が犠牲になれば他の人はこんな酷い事をされないから良いと言った様に聞こえた。
辛いよね。
苦しいよね。
けれど僕は弱いから・・・・・・・ごめんね。
泣いている男子生徒を見ていると急に抱きしめたいとか思えて僕は男子生徒を自分の腕の中に引き寄せ強く抱きしめた。
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