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第8話 もう少しで Side使颯
男子生徒も抱きしめられてビクッとしていたが抵抗はして来なくてそのまま暫くお互いの体温を感じていた。
「あの・・・服・・・汚れて・・・・・・ごめんなさい」
「えっ?服は気にしないでよ。あの・・・僕の名前どうして知ってたの?それと君の名前教えてよ」
「それは・・・・・俺にハンカチ・・・それから気になって名前とか友達に聞いた。俺は橘賢吾です」
「友達はこの状況を知ってるの?」
「知りませんよ。学校では話さない様にしててメールのやり取りで天月君の名前を教えて貰ったんです」
橘賢吾・・・・・。
聞いた事があるかもしれない噂だからとか思ってたけれど同性に告白して学校中から嫌がらせされてるとか・・・・・。
もっと背筋を伸ばして自信に満ち溢れた感じだったら・・・例えば心翔君みたいな感じだったら橘賢吾は嫌がらせとか受けなかったのではないか?
背も高くて顔も綺麗な二重で鼻も高くて整った顔立ちをしている。
「橘君、落ち着いたかな?」
「ありがとう天月君。本当に優しいよね。天使だと言われてるのが分かる気がする」
「天使・・・・・じゃないよ。優しくも無いんだ。僕は自分を守る事だけしか考えてい無い弱虫なんだよ」
「弱くないよ。天月君は強いと思うよ。俺にすごく優しくしてくれてこんな汚れた俺を優しく抱きしめてくれた。心が救われたんだ。俺・・・天月君の事・・・ハンカチを差し出してくれた日から好きなんだ」
こんな僕を好き?
恋愛だよね?
「ありがとう・・・それは恋愛として?」
「ごっ・・・ごめんね。迷惑だよね」
「迷惑とかじゃ無くて、橘君は僕なんかで良いの?」
弱みを握って告白とかした僕なんかで・・・橘君を汚してもいいの?
橘君の真っ直ぐで汚れてい無い心に触れると僕は胸が痛くなる。
「天月君が良いです」
「ありがとう。橘君」
橘君の体温を感じると心が安らぐ気がしてずっと触れていたいとかもう誰にも触らせたくないとか色んな感情が湧き上がってくる。
心翔君の時とは違う感情。
コレって僕も橘君を好きだって事なんだよね?
僕も橘君に前の学校の話をしよう。
それでも僕を思ってくれるなら今度は僕から好きだと告げたい。
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