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第20話 もう少しで Side使颯
「賢吾!あのね。お昼、一緒に食べようよ。場所移動ね」
「あっ・・・えっ?ちょっ・・・待って天月君」
天月君?
「賢吾、どうしちゃったのぉ〜。ちゃんと名前呼んでよ。ねっ、使颯って、呼んでよ」
僕は賢吾の腕を掴みブンブンと左右に振るけれどその手を掴んで溜息をついた。
近寄るなとは言われたよ。
でも僕はそんな事で引き下がる訳にはいかないんだからね。
「関わらない方がいいから・・・天月君」
僕を見ないで話す賢吾。
これなら、周りの公認だよね。
僕は賢吾の顔を両手で掴むとグィッと自分の方に向かせて賢吾の唇に自分の唇を押し当てた。
教室中が騒ついているけれどこれで僕達が付き合ってる噂が流れるはずだ。
「なっ!やめ・・・ろっ!」
「嫌だ。お昼一緒に居てくれないんならもっとするからね」
半分脅しに近かったけれどこれで彼奴らも賢吾には手を出しにくくなったはずだ。
だって、こっちに来ようとしているが周りの視線が集まりすぎてこれなくなっている。
賢吾・・・・・・もう少し我慢してね。
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