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第5話 卒業
「優月君、もしかして出来ちゃった?」
「何言ってるの天使ちゃん」
出来ちゃった?
何が出来ちゃったんだろう?
「使颯、何を言ってるんだ」
「賢吾、あのね」
賢吾君の耳元で内緒話をしてニッコリと笑うと賢吾君は真っ赤な顔になって首をブンブンと振り出した。
「無いだろ。何を考えてるんだよ使颯。」
「だってぇ〜。可愛いからあるかもとか思うじゃない。もし僕がそうだったら嬉しいなぁ〜」
「男だから無いぞ天月」
賢吾君と天使ちゃんが楽しそうに話していたのに冷たく心輝が言った。
男だから無い?
「あるかもじゃない?西山」
「お前は、天然か?無理に決まってるだろ?」
「夢見てもいいじゃないか!西山は夢なさ過ぎだ」
「はいはい」
隣で直と賢吾君が2人の会話でオロオロとしている。
キョトンと皆んなを見ていると心翔がこっそりと教えてくれたんだ。
天使ちゃんは赤ちゃんが出来たかって聞いてるんだって、僕それを聞いてビックリした。
男だから無理に決まってるのに天使ちゃんは分かっていて言ってるんだよね。
夢・・・・・。
確かに僕達がこの先ずっと一緒にいても自分達の子供は出来ない。
けれどもしそれが出来たら嬉しい。
夢みてもいいのかな?
夢だからいいよね。
心翔も欲しいと思ってるかな?
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