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第11話 卒業

卒業式の日から数日後に僕達は心翔のお祖父さんの知り合いが経営する旅館に来ています。 本館から少し離れた部屋を3室もこの時期に取れたねと言うとココは心翔のお祖父さんが特別に建てたらしくて他の人達は宿泊出来ないと聞かされた。 「見てぇ〜。露天風呂があるよ賢吾」 「凄い」 天使ちゃんは賢吾君の手を引っ張り窓の外に見える露天風呂を指差している。 いつもは3組で来ていた旅行とかだけど天使ちゃんと賢吾君が加わると明るくなった感じがする。 暗いわけじゃないけれど天使ちゃんの笑顔や行動を見ていると僕達も明るくなれる。 天使ちゃんはきっと周りを明るくする太陽なんだ。 「どうした優ちゃん?」 「天使ちゃんの笑顔が可愛らしいなって思って見てた」 『えっ!?』 その場に居た全員が僕を見てビックリしている。 あれ? 僕は何か言ったらダメな事をいっちゃったのかな? 「本当に!僕、可愛らしい?」 「うん。歳上に失礼だけど可愛らしいよ」 「嬉しい。僕、可愛らしいって賢吾」 可愛らしいと言われて喜ぶのは天使ちゃんだけの様な気がする。 僕、可愛らしいとか言われたら考え込んじゃうよ。 天使ちゃんみたいに素直に喜べなくて褒められたら嬉しいけれどやっぱり男だから可愛らしいとかは複雑な気持ちになる。

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