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第12話 卒業

「可愛らしいというかワザとらしい」 「龍、何を言ってるんだよ」 「ゆづさんとか竹田みたいな自然な感じがしないというか上手く言えないけれど何か引っかかる感じなんだよ。出会った当初よりは自然な感じだけどな」 確かに無理に明るくしている感じもするけれどそれは、天使ちゃんなりの気遣いだと最近になって分かったんだ。 誤解されてるよね。 「酷いですよぉ〜。僕、ワザとらしいとか言われたら傷ついちゃいますからね。宇佐先輩」 「気を悪くさせてすまん」 「大丈夫です。確かに優月君とか直君の自然な感じには近づけないですから僕」 首を横に傾げてニッコリと笑う天使ちゃんの姿はやっぱり可愛らしいと思うけど計算していると言われればそうかもしれない。 「それよか、大浴場とかあるのかな?」 「本館に行けばありますよ。宇佐先輩」 「本館まで行かないとないのかぁ〜」 「でも各部屋に露天風呂が有りますのでそっちに入ったほうが良いと思いますよ」 「じゃあ、風呂入りに行こうぜ冬空」 宇佐先輩は冬空君の腕を引っ張り立たせると部屋から出て行った。 そしたら他の4人も夕飯の前にお風呂入ると部屋から出て行ってしまった。

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