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第14話 卒業
部屋に入るとゆっくりと畳の上に降ろされ僕は慌て心翔から離れようとするとギュッと抱きしめられた。
「先に入ってるから優ちゃん」
「うん」
心翔は僕の額に優しくキスをすると露天風呂がある方へ歩いて行った。
僕は脚に力が入らなくなってその場に座り込んでしまった。
心翔の行動1つ1つがドキドキして全てカッコよく見えてしまう。
さり気なくやっているのにお姫様抱っことか普通しない様な事を当たり前の様にしてくれる。
してくれるだと僕がお姫様抱っこをして欲しいとかになちゃうよ。
違うからね!
今から一緒に露天風呂だなんて心臓のドキドキが激しくなりそうで心翔にドキドキがバレるかもとか心配だよ。
覚悟を決めて入る準備を始めたが色々と妄想してしまいなかなか準備が終わらなかった。
「遅くなってごめん」
「やっと来た。優ちゃんおいでよ」
心翔は手差し伸べて僕を湯船に誘う。
僕は手を入れて熱さの確認をしたがそれ程熱くなくて中に入らないと空気が冷たいから風邪をひきそうだった。
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