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第3話 ある日の出来事
心翔の手が伸びて来て僕の頬に優しく触れる。
触れられて僕の体温は一気に上がり顔がますます熱くなりだす。
絶対真っ赤だよね。
「優ちゃん、耳まで真っ赤だ。可愛いな俺の彼女」
「かっ・・彼女?」
「違ったか?なら彼氏でも良いけど俺は優ちゃんが側にいればどっちでも良い」
「僕もどっちでも良いよ。心翔が一緒ならそれで良いよ」
僕が恥ずかしくて視線を逸らそうとすると頬にあった手が後頭部を掴んで心翔の方に引き寄せられた。
気付いた時には遅くて心翔も顔を近づけて来ていて軽く唇と唇が触れた。
軽く触れるだけのキスなのに僕はさっきよりもドキドキして心臓が壊れてしまうんじゃないかと思うくらいだった。
「ママァ〜。お兄ちゃんとお姉ちゃんがチュウしたぁ〜」
「春香ちゃん。ダメよこっちに戻ってらっしゃい」
僕と心翔は慌て唇を離した。
まさか小さな女の子が近くにいたなんて気づきもしなかったし母親に言われちゃったのがすごく恥ずかしい。
それに僕が男だってバレないよね。
「もう、勝手に遠くに行っちゃダメでしょう」
「ごめんなさい」
女の子は母親に怒られてさっき迄の笑顔が消えてしまった。
何だか悪い事をしちゃった様に思えて心の中で女の子にごめんなさいと言った。
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