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第7話 ある日の出来事 Side心翔

「僕、これからいろんなお料理覚えるね。後、デザートも直に習って作るからね心翔」 「それは楽しみだな優ちゃん。ありがとう」 「うん。心翔って苦手なものとかある?」 「特に無いけど?出されたらちゃんと食べるから食べれないとか無いかもしれない」 「ふふっ、良かった」 普段でも可愛いのに怖かった刃物を使い料理が出来る喜びから出る笑顔はとても俺の気持ちを揺さぶる。 理性が無くなる寸前だ。 「見て見て、タコさんの形とカニさんの形にしたんだ。はいっ!」 「嬉しいけど優ちゃん」 フォークにタコの形にされたウィンナーを指して無邪気に笑いながら俺の目の前に差し出してくる。 これは、あ〜んってやつだよな? 俺はフォークを持った優ちゃんの手首を掴むと自分の方に引っ張りタコの形にされたウィンナーをパクリと食べた。 「えっ?あっ、心翔!」 「うん?何、これがしたかったんじゃ無いの?」 「ちがっ、フォークを渡したかったんだよ」 「そうなんだ。美味しいよタコのウィンナー」 優ちゃんは耳まで真っ赤にして目をパチクリとさせながら俺がタコのウィンナーを食べるのを見ていた。

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