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第8話 ある日の出来事 Side心翔

「あのね。手放してよ心翔」 「じゃあ、唐揚げ食べさせてくれるなら放す」 俺の言ったことにまた顔を真っ赤にして目を見開き固まってしまった。 漫画とかならこう頭からボンッと音を立てて煙が出る感じかなんか? 「ヴッ・・・分かった」 下を向いて小さい声で優ちゃんは言ったけどこれで聞こえないとか言って意地悪をすると拗ねてしまいそうだ。 「ほらっ、放したから食べさせて優ちゃん」 俺が笑いかけて口を開けて待っているとプルプルと震えた手で俺の口に唐揚げを刺したフォークを近づけてくる。 顔真っ赤にして涙目って誘ってるようにし見えてこない。 これ以上したら理性がもたないよな俺。 優ちゃんの手を掴んで強引に口の中に唐揚げを入れるとすぐに優ちゃんの掴んだ手を解放した。 けれどまた固まってしまった。 可愛すぎ優ちゃん。

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