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第5話

「ん、ん…あ、んぅっ」 「んっ…もっと舌出せ…はぁ」 今何時だろう、夢中になってキスをしてるから分からない。 ご褒美ってこんなのでいいのか?…いや、男とキスでこのくらいとか思い始めている俺は麻痺してんのかもしれない。 男とキスとか想像しただけで鳥肌もんなのに根暗くん?とのキスは全然気持ち悪くない。 むしろ、気持ちいいと思うのはやっぱり可笑しいのだろう。 いつの間にか根暗くん?の首元に腕を回していた。 なにかにすがってないとダメだった…ヤバい、生理現象が… 「はぁ、ふっ…キスされて勃つとかエロい奴だな」 「なっ!お前こそエロいフェロモン出してんじゃねぇよ」 「…意味わかんねぇよ」 自分ではフェロモンなんて分からないから仕方ないのか、でも悔しい。 根暗くん?の声が掠れて息が熱くシャツから覗く胸板とか結構ヤバいフェロモン出してるぞ。 それに勃ってるって人の事言えんのかよ、視線を少し下げるとズボンを押し上げているものが見える。 根暗くん?の下半身に触れるとビクッと驚き少し大きくなるのを感じた。 …え、何これ…自称普通サイズの俺よりデカいとか本当に高校生かよ。 握り過ぎたのか手を叩かれた、ヒリヒリ痛い。 あれ?根暗くん?目が据わってない? 怖いんだけど… 「お前それ無意識なら今すぐやめろよ、襲うのが俺で良かったな」 「は?なに…んんっ!!」 また唇を塞がれた、キスに夢中になっていたら根暗くん?の手が俺の太ももを撫でるから足を閉じようとするが真ん中に根暗くん?の身体があり閉じられないどころか足を開かされてしまった。 恥ずかしい格好でやめるように根暗くんがやらしく太ももを触る手を掴んだが全く止めようとせず動きが大胆になってきた。 固くなった俺のを撫でて快楽を与える動きになった。 自慰はするが誰かにそんなところ触られた事はなかった。 予測出来ない他人の手の動きに自慰よりも気持ちよくなる。 キスでまたボーッとなりズボンのジッパーを下ろす音がやけに大きく耳に響いた。 「触り合いすればお互い気持ちいいだろ?」 「…う、ん」 何を言っているのかよく分からなかったが頷いた。 根暗くん?もズボンをずらしてやはり俺よりもデカいものを見せた。 男として悔しい、しかもどうせ非童貞なんだろ!…一つも勝ってなくてイライラする。 「見すぎだ」と頭を叩かれた、お前もなと言いたいがその言葉は亀頭同士の擦れ合いで飲み込んだ。 お互いの先走りがぬるぬるして糸を引いている…ヤバい…視覚もヤバい。 根暗くん?は2つまとめて片手で擦って快楽を与えているが、もう片方の手は必要以上に俺のを弄ぶ。 「はぁはぁ、あっ…俺の、んっ…ばっか、触んなっ!あぁっ!!」 「俺を忘れた罰だ」 ニッと笑い、強く亀頭を擦られて少し出てしまった。 根暗くん?ので擦られ、根暗くん?の指でお仕置きされて女みたいな声で喘ぐ俺……数分前では考えられなかっただろうな。 罰とか意味分からん、仕返しに根暗くん?のに触れると不意討ちでイッた。 余裕こいて笑うと根暗くん?に睨まれて擦る手の動きを早められた。 ラストスパートだと言わんばかりの絶頂を誘う動きに腰が震えた。 気持ち良すぎて唇を噛んでいたら根暗くんに唇を塞がれた。 もう脳は真っ白に溶けてしまっていた。 「んっ、んんんぅ!!!!!」 「うっ…く」 絶頂を迎え最後に舌を絡め合い、そこで俺の意識はなくなった。 ーーー 重い瞼を開ける、白かった天井はオレンジ色に染まっていた。 まだ頭がボーッとする、ここは何処だ?俺は… 声を出そうとすると若干喉が痛い、なにがあったっけ。 なんで俺、大の字で寝てるんだっけ…必死に記憶を思い出す。 顔の横に冷たいペットボトルを置かれて頬がヒヤリと涼しくなる。 冷たい水だ、体が熱くて汗掻いていたから丁度いい。 「また口移しで飲ませてやろうか?」 「…自分で飲める」 ペットボトルに触れると冷たくて気持ちいい、キャップを開けて一口喉に流し込む。 喉に流れる冷たい感覚、あの唇の感触でいろいろと思い出した。 俺、コイツと触り合いしたんだっけ…しかもキスも何度もして… あの時は夢中になってたが今思うと穴から出たくないほど恥ずかしい。 男同士なのに、俺はノーマルなのに…ぶん殴って逃げれば良かったのに、されるがままだった。 なんでだろうな、やっぱ男だから本能が勝るのか。 ペットボトルのフチをかじり、根暗くん?を改めて見た。 どっかで見た事あるよーな、誰だっけ…結構上手かったし… 金髪に碧眼の見た目王子みたいだから一度見たら忘れそうにないと思うが…ハッ…もしかして… 「お前、もしかして芸能人?」 「…何だよ今さら気付いたのか、おせぇよ…名前は本名明かしてないから気付かないだろうけど顔で分かるだろ」 「………そういうの見た事ないから悪かったよ」 「ちなみに聞いておくけど、俺は何だと思ってる?」 「AV男優」 根暗くんの蹴りが来て条件反射で避ける、当たったらとても痛いだろう。 えっ、違うのか!?だってあんなに上手いとそうなのかと… いやでもさすがに未成年出したら犯罪か、じゃあやっぱり経験の差か…悔しい。 エロ本もAVも存在は知ってるが買う勇気はなくて見た事ない。 なんか他人のを覗き見してるみたいで罪悪感が凄くなるからな……だから未だに童貞なのかな、もう高二なのに… いったいこの根暗くん?は何者なんだ、考えても答えは出なかった。

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