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第14話

※河原飛鳥視点 暖かいシャワーを頭から浴びて瞳を閉じる。 何故って、それは自分が一番知りたい。 何故…俺はアイツに触りたいと思った? あの時、もう一度感じたくてキスをした。 でも前とは違った。 欲が増えていた、もっともっと触れたい全身で感じたい…そう思った。 スキャンダルは最も両親が嫌うもので今まで付き合った事はなかったが、自慰はしないといけないからそういう動画なんかを見て一人でしていた。 少しは興奮するが、それは作業のように機械的に手を動かすだけだった。 だからこんな欲まみれの感情が初めてであの時は制御の仕方を知らず少し暴走してしまった。 すっきりしたら、おさまると…そう思っていた。 結果はもっと欲が出てしまった。 先端が触れるだけじゃ足りない、もっと奥の奥まで繋がりたい。 アイツのいろんな、俺しか知らない顔を見てみたい。 ……見たい、見たい。 「やばっ、また勃った」 次アイツが使うからこの場は萎える事を考えてやり過ごそう。 そういえば具合悪そうだったな、大丈夫だったのか? 顔色悪かったな……苦しそうで、泣きそうな顔で… また興奮してしまった、アイツの事を考えるのはやめよう…仕事の事を考えよう。 マネージャーは俺の二倍は生きてるし、この不安定な気持ちの意味を知っているだろうか。 明日新曲のレコーディングだし、聞いてみるか。 風呂から上がり、着替えて廊下に出ると自室からアイツが出て来て風呂に入っていった。 アイツを同室者にしたのは単純に俺の正体を知ってるからだ、こうして遠慮なく元の姿でいられるから… ………少しだけ下心もある。 アイツの部屋に入ると、空気が全体的にアイツのにおいでいっぱいだった。 嫌なにおいじゃない、むしろ落ち着く。 ベッドに座る、ちょっと変態っぽいが本人がいないから枕に顔を押し付ける。 「…三条、優紀…か、優紀…ゆうき」 あ、また興奮してきた…こんな事でしたら一発で分かるよな。 警戒されたら困る、今日から一緒のベッドで寝るんだから… アイツ…三条だって同意した。 ベッドから起き上がり離れる。 これ以上ベッドにいたら我慢出来なくなる…ただでさえこの空間は俺にとって毒なのに… 周りを見渡し、本棚を見る。 いろんな参考書に混じって異質なものがあった。 人気デートスポット案内の本とか彼女をときめかす男の必勝法とかなんか微妙なタイトルの本が並んでいる。 今彼女いる気配ないし、あの時の元カノか。 何となくデートスポットの本を手に取りパラパラ捲り驚いた。 そこにはいくつか丸印が描かれていて、自分に自信を付けるためか一言コメントみたいに「大丈夫だ」とか「俺なら成功する!」と書かれていた。 棚に戻すと風呂から上がった三条が自室に来た。 「悪い、待たせた…えっとじゃあ俺はソファに…」 「……三条」 「なに…っん!」 三条に近付き逃げない事を良いことにキスをした。 舌を入れると三条から力が抜け腰を支える。 三条には絶対に言えないな。 元カノに凄い嫉妬したなんて…

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