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第21話

「だって俺にフラれたと思って吐いたんだろ?元カノにフラれた時と同じじゃねーか」 あ、そういえばあの時の彼が河原なら元カノにフラれたの知っているのか。 河原がからかうように俺を見ていてムスッとする。 ……違う違うと否定するのももう限界かもしれない。 河原に元カノ……いや、それ以上の感情を抱いていたのは事実だ、それは認めよう。 しかし、それを素直に河原に言うのはなんか嫌だ。 どうせまたからかうんだし、自分の気持ちにはとっくに気付いているけど… 「俺はノーマルだから男を好きになったりしねーよ」 「ノーマルだからって男を好きにならない保証はねぇだろ、俺がそうなんだから…男好きじゃなくてもたまたまタイプが好きな人だっただけだ」 俺のタイプが可愛いげがない俺様長身イケメン?男として随分マニアックだな。 「………で、好きなの?」 「保留」 「頑固だな、やっぱ今カノをどうにかしないとだめか」 今カノ?何の話だ?俺には今付き合っている彼女はいないから俺の事ではないだろう。 …まさかコイツ、付き合ってる女が居て俺と二股しようとか考えてるんじゃねぇだろうな!! もう落ち込んだりするのは止めた、腹が立つから河原の胸ぐらを掴む。 河原は何故自分がこんな事をされてるのか分かっていないようで驚いていた。 涼しい顔をしていてさらにムカつく、俺にあんな事して抜け出せないようにしたくせに… 胸ぐらを掴む手を離して河原の服の襟を引っ張る。 河原の服が伸びる?知るか!二股してる野郎なんかに拒否権はねぇ! 「んっ、んぁっ…はむっ」 「ん、ちゅっ…はっ」 「ん…お前は俺のもんだろ、よそ見してんじゃねー」 「はっ、上等だ…お前こそ俺でしか感じない身体にしてやるよ」 お互い激しく舌を絡み合う、他なんか見れないほど俺で頭いっぱいにしてやる。 河原の冷たい手がシャツの中に潜り込み、ひんやりした感触にビクッとする。 俺もやられっぱなしは気に入らず河原の寝間着のズボンに触れる。 息が荒くなり、二人共この先の事を想像して興奮していた。 今度はちゃんとした、恋人同士としての行為。 唇が離れたから河原にまたキスをねだると応えてくれた。 河原の指が背中をなぞり、じらされてるようでもどかしい…自分からズボンを脱いでしまおうか。 「なんだ、もう我慢出来ねぇの?」 「…河原だって勃ってるくせに」 「あぁ…早く挿れてぇ」 河原は本当にエロい事になるとストレートだよな。 深い口付けをして俺の尻の穴をズボン越しに触る。 俺も河原のをズボン越しに擦ると大きくなった。 「うっとりしてる」と河原に言われ顔を赤くした。 欲しがって悪いか!と半ギレになりながら河原をイカせようと擦る。 だんだん息が荒くなり、もうすぐかと思ったら河原に手を掴まれた。 「お前の中でイキてぇからもういい」 「…また中で出すのか?ゴムは?」 「あ?昨日はお前とこんな事になるとは思ってなかったからゴムしなかっただけだ、ちゃんと用意してる…でもお前中出し好きだろ」 河原の頭を叩く、好きなわけじゃない!ただ初めの頃はビックリしただけだ。 …ってか河原、今はあるって…俺とこういう事をするためにこんな時間まで起きてた、とか? とんだムッツリを好きになったな……今さらだが… ズボンのポケットからゴムの袋を取り出して何故か俺に渡す。 ………は?俺が付けるの?まさか今度は俺が入れる番か? そうだよな、同じ男だし穴も同じだ…俺童貞だけど出来るかな。 期待半分不安半分でゴムと自分の半勃ちを交互に見ると河原にデコピンされた。 「河原!デコピンはやめろ!」 「…お前が勘違いしてるからだ、後ろ弄んないとイけないくせに」 「なんだと…」 「口で付けてって言ってんだよ」 言ってないだろ、と河原が自分のを指差した。 「そんなテクニックは持ってない!」とゴムの袋を破り河原のに取り付ける。 …やった事ないが、これでいいだろうか…改めてみるとやっぱり大きくて…エロいな。 なんか余計卑猥に見える、河原のがゴムでピンク色。 河原に上手く出来たご褒美だと言われてるようにキスをされ頭を撫でられた。 唇が離れ、河原の赤く濡れた唇に興奮する。 「……優紀って呼んでもいいよな」 「あぁ、俺も飛鳥って呼ぶ」 お互い見つめ合い笑い河原の手がズボンに触れ、俺は次の快楽に身を委ねた。 いざ本番という時にドンドンドンとドアを叩く音が廊下に響いた。 合体しようとしていたからお互い驚き目を見合わせる、こんな時間に客? 外の廊下から「ゆーきー!!開けてくれお願いだー!」という声が聞こえた。 あの声は始だ、俺のバイトを知っているから今の時間起きてると思っていたのだろう。 あのいつもクールぶってる始が珍しく取り乱してなにかあったたのだろうか。 「飛鳥…なんか急用みた…いっ!?」 「…………」 イケメンがそんな顔しちゃいけないってぐらい恐ろしい顔をしていた。 飛鳥はゆっくり俺から離れて床に落ちたかつらを被る。 チクチク殺気が突き刺さり怖い、初対面の時に感じた怖さを思い出す。 すっかり萎えてしまったからか簡単に身だしなみを整えて玄関に向かいドアを開けた。 すると勢いあまり、始が飛び出してきて俺に抱きついて倒れた。 倒れるのこれで二回目だと呑気な事を考えてる場合じゃない!さっきより殺気が強くなり上を見ると人を殺しかねない飛鳥の顔があり、俺は始を蹴飛ばし離れた。 玄関に目を向けると紫乃が目を潤ませ立っていた。 「始が浮気するなんて…」 「ひぃぃ!!」 紫乃の声に過剰に始は怯えていた、なんだか様子が違う。 学校の時は始と紫乃は相変わらず仲良しで普通だった。 そこで二人が何も言わないが気付いてしまった。 飛鳥は興味がないのか、外したゴムを限界まで伸ばしている……アイツなりのストレス発散か。 「今度は絶対生でぶちこんでやる、客?そんな奴見せつけてやれ」と恐ろしい事を呟きながら俺の尻を撫でるの止めろ。 気を取り直し飛鳥の手を払い俺の買い物袋を盾にしている始に近付く。 「俺の夜食を盾にするな」 「たっ、助けてくれ優紀!紫乃が、紫乃がぁ!!」 「…とうとうヤられたか」 「まだ指しか入ってないもん!」 紫乃が膨れっ面になって怒っていた、迫力がない…拗ねてる子供のようだ。 なるほど、指で怖くなり逃げ出したのか…俺には童貞がどうたら言っていたのにな。 情けねぇな…俺なんて紫乃のより遥かにデカいブツを受け入れたぞ、指くらいなんだよ。 しかし、自分が攻める気満々だったからか始はショックのようだ。 俺達の問題が解決して、また一波乱ありそうだ。

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