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第46話

誰が女だ!とか男の誘い方なんて知るかとか言いたい事はいろいろある。 これで俺までその気になったら男としてどうなのかと首を傾げてしまう。 飛鳥に手を握られるまま連れられ、脱衣所に向かう。 脱がしてもらうのは恥ずかしいから自分で脱ぐ…といってもボタンは全て外された後だけど… 友人と風呂に入るのなんて中学の修学旅行ぐらいだ。 寮の大浴場には入った事はあるが紫乃と始は素肌を見せたくないとかで部屋のシャワーで済ませている。 だから友人と入ったとは言えないし、飛鳥と風呂は友人のそれとは違う事は分かる。 お互いの裸なんて見慣れてるのに、場所が変わるだけで変に緊張するな。 シャワーの音だけが静かな風呂場に響き渡る。 当たり前だが風呂場は二人用に出来てないから狭い。 やっぱり一人ずつの方が疲れがとれるのではと思っていたら、飛鳥は俺を壁に押さえつけた。 お互い見つめあい、手を重ねて絡み合わせる。 どちらか先だったが、ゆっくりと口付けをした。 最初は軽く、舌を入れてだんだん濃厚にとろけるようなキスを繰り返す。 瞳を閉じて夢中になりお互いを確かめ合う。 飛鳥の足が俺の足の間に割り込んでいき、ぴったりと身体をくっつける。 飛鳥が足を開くと俺も足が自然と開かれる。 風呂はキスだけだと思っていたが、まさか風呂場でするつもりなのか? …なにか変な事を企んでるとは思ってたけど… 飛鳥の手が近くにあったボディーソープに伸びる。 手のひらにたらりと垂らして俺のかたく閉ざされたところに塗る。 指の腹で優しく撫でたと思ったら指を爪まで入れて浅く出し入れを繰り返す。 昨日は全然よくなかったのに飛鳥にされてると思うと昨日より興奮して息を荒く吐く。 もどかしい、いつもみたいに乱暴に侵入してくれば良いのに… 「あ、飛鳥…なんで今日は優しいんだよ」 「俺はいつでも優しいだろ?」 いつもは好き勝手するくせに、と思いながらずっと浅く動く指がある方を睨む。 俺のはもう勃起していて先が濡れて震えていた。 自分で動いたら可笑しいだろうか、今さらのような気もするが… ずっと飛鳥の手を待ってるのも生殺しなんだよな。 俺だって男だ、心まで受け身になってどうする! 飛鳥の手を掴む、飛鳥は動きを止めて俺がどうするのか見ていた。 「んっ、んんっ!!」 一気に根元まで入れてしまい軽くイってしまった。 加減が難しいが、俺が欲しかったものが手に入ったようで嬉しくて頬が緩む。 さっきは勢い過ぎたから今度はゆっくりにしよう。 そう思っていたが飛鳥が激しく指を動かして俺をイかせようとする動きになる。 ダメだ、このままだとまたメスイキしてしまう。 足がガクガクと震え立ってられず座り込む。 「あっ、あ、あぁっ!」 「へぇ…やらしい誘い方知ってるじゃん、まさか俺以外にしてねぇよな?」 するわけない、こんな事…飛鳥以外となんて考えられない。 そう訴えようとするが口から漏れるのは甘い声だけだ。 飛鳥に耳を舐められると耳の中まで犯されてるような気分になり腰が震える。 耳に唇をくっつけて「イけ」とエロボイスで囁かれると、飛鳥の指を締め付けて頭の中が真っ白になった。 ……俺、また中だけでイってしまったのか。 指を引き抜かれた、物足りない感じでひくひくと誘う。 飛鳥のを見るともう十分な固さになっていた。 されてばかりってのもなんか嫌だな、飛鳥はまだ気持ち良さそうに見えないし… 飛鳥のに触れると少し大きさが増し、飛鳥はこちらを見た。 「…どうした?優紀」 「一回だけ、奉仕してやる」 そう言いタイルに膝をつき、舌を出して舐めてみた。 うっ…苦い…舐めたことないけど、見た目から美味そうには見えないよな。 でも、気持ちを高鳴らせるには十分なほどに興奮する。 チラッと飛鳥を見ると眉を寄せて気持ちよさそうだ。 初めてだったからどうかと思ったが俺、才能あるんじゃないか? 飛鳥以外にする気はないし、こんな才能いらないけどな。 「飛鳥、気持ちいい?」 「…いや、全然」 てっきり気持ちいいのかと思っていたから飛鳥の言葉にムッとした。 そんな断言するなよ、俺だって頑張ってるのに… 意地でも飛鳥に気持ちいいと言わせたくて口いっぱいに咥える。 …飛鳥のデカいから根元までは無理で、咥えられない場所は手を使う。 飛鳥の吐息が聞こえる、本当に気持ちよくないのか?我慢してるだけじゃないのか? ニヤニヤしている飛鳥を上目遣いで見つめる。 「お前下手だなぁ」 「んぅ…」 「まぁ気持ちよくはないが、興奮はするな…一生懸命俺のを咥える優紀にっ」 優しく頬を掴まれ離される、唾液や飛鳥の精液が混じり糸を引いた。 気持ちよくないのに興奮してるとか言ってる意味が分からないと思っていたら立ち上がった俺の足を片足持ち上げて飛鳥の十分かたくなっているものが触れる。 風呂場はとても響く、俺達の気持ちが高ぶった息遣いも水が落ちる些細な音でも耳に残る。 鼓動まで響きそうだ、いや…至近距離に飛鳥がいるんだから飛鳥にはバレてるよな。 濡れた瞳で見つめ合い、この先の行為に期待する。 風呂場に持ってきてはいないが、今日はゴムしないのか?

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