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第60話

「さっきよりいい顔になったじゃねーか」 「うっ、うるせっあんっ」 いきなり飛鳥が下から突き上げてくるから全身が震えた。 それが合図になり、無我夢中で腰を動かす。 飛鳥の顔に顔を近付けると口を開き、導かれるままにキスをした。 どろっとした甘ったるいキスにキュンキュンと締め付ける。 たどたどしい腰使いに俺はいっぱいいっぱいだったが飛鳥には生殺しのようだった。 根元まで飲み込んではいるが強く深く貫きたい飛鳥は突き上げるのにも限界がありどうしようか悩んでいた。 そんな事を知らない俺はちゃんと飛鳥は俺で気持ちよくなってるのか不安だった。 あの男遊んでそうだしな、俺なんかのテクニックより上手いのかもしれないな。 あの男としたのか?その場合、飛鳥ってどっちなんだ? 受け身は嫌そうだからやっぱりあの男が受け… うわっ、嫌な想像してしまった…いつの間にか腰の動きも止まっていた。 「おい、優紀」 「えっ!?なんだ?」 「これ、外してくれ」 俺がくだらない想像をしていたら飛鳥が俺の前にネクタイで結ばれた両手を見せる。 あ、そういえば拘束してたっけ…忘れてた。 飛鳥は外しても逃げないだろうが、なんか外してはいけないような気がする…なんとなくだが… まぁネクタイなくても両手で押さえつければいいか。 正直ネクタイん自力で破ける飛鳥なら外そうが付けてようがあまり変わらない気がした。 赤いネクタイに指が触れてシュルシュルと解く。 飛鳥の手首が赤くなってないか心配したが一切抵抗していない飛鳥の手首は綺麗なものだった。 良かったとホッとしたのもつかの間突然飛鳥に引っ張られた。 受け身が取れずベッドに身体が沈んでちょっと背中が痛い。 早業で俺と飛鳥の位置が反転してしまった。 飛鳥は俺の足を掴み、内腿に舌を這わせた。 「今度は俺が、好き勝手してもいいよな?」 「へ?…いや、あの…ちょっまっ!!」 俺の情けない声を無視して飛鳥はいきなり深く深く突き立てた。 いきなり強い快楽に顔が引きつるが身体は待っていた刺激なのか中が甘く絡みついてくる。 ギリギリまで引き抜き、奥の奥まで突き刺さるのを激しく繰り返されて俺は喘ぐ事しか出来なかった。 上にいる奴が主導権握れるんじゃないのか!? 飛鳥と俺の息遣いが絡み合い、唇を合わせた。 飛鳥の背中に腕を回して瞳を閉じると、前が見えないのに飛鳥だけを感じる事が出来た。 「あっあぁっ!!ん、んぁっ」 「はぁ…優紀、いきそ?中、すげっ」 さっきので限界だったのにさらに強く前立腺を擦られ頭がヒートしていた。 俺の腰を掴み、さらに強く腰をぴったりと密着するように深くまで突かれてシーツを握りしめる。 出したくて自分のに触れようとして飛鳥に叩かれた。 なんでダメなんだよ、またメスイキとかさせる気じゃないだろうな。 不満そうに飛鳥を睨むがすぐに目を見開いた。 凄い余裕ない顔、飛鳥も焦らされたんだ…当然といえば当然か。 「はぁ、優紀っ…先にイけ」 「あぁぁぁっ!!!!!!」 飛鳥に攻められ我慢出来る筈もなく、また出さずにイッてしまった。 なんだかバカになりそうだ、そう思っていたら飛鳥はゆるゆると腰を動かしていた。 そしていきなり強く腰を打ち付けたから短い悲鳴が出る。 そのまままたさっきみたいに強く中を擦り、今度は俺のも弄り始めた。 イッたばかりで敏感なソコはすぐに反応をして亀頭からはトロトロと涙を流す。 強すぎる快楽を飛鳥にやめてほしくて飛鳥の胸元を押すが飛鳥は笑い俺の指に指を絡ませてベッドに押さえつけた。 あ、さっき飛鳥に押し倒される前に俺がやろうと思ってたのに、飛鳥にやられるとなんかムッとする。 「優紀っ、まだイッてねぇからちょっと付き合え」 「むっ、無理っ!!いまだめっ、そこばっか擦んなぁぁっ!」 「責任取れよ、煽ったのは…ぁ、お前だろっ?」 ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響き、部屋中がエロい空気に包まれた。 亀頭をしつこく擦るとひくひくとしてきた。 そしてトロトロに溢れる亀頭をギュッと強く擦り直腸まで深く突いた。 なんかぞわぞわっとした今まで感じた事ないなにかが押し寄せてきた。 怖くて涙を流すと透明ななにかが吹き出した。 イッた感じだが、精液ではない謎のものに驚く。 「…俺、もしかして漏らした?」 「そういえば潮吹きは初めてだったな、良かったな」 なにが良いんだよとよく分からない事を言う飛鳥を睨む。 しかし「煽るなよ」という飛鳥の声を聞いたと思ったらまた動きが再開された。 さっきよりもさらに敏感になった中で好き勝手暴れる。 シャツを着ていたがすっかり汗だくになっているシャツを脱がされる。 気持ち悪かったし、ちょうどいいかと素直に従う。 そして俺の乳首を口に含み潰したり吸ったりして愛撫する。 はふはふと短く息を吐き、もう勘弁してくれへろへろになった。 「そろそろ、イくぞ」 「あっ、あぁっ!!」 飛鳥がより激しく腰を動かし、俺は何度目かの絶頂を迎えた。 今度はちゃんといつもの精液が出て安心した。 どくどくと暖かいものが奥に流し込まれた。 息を整えながら俺は飛鳥を見つめた、飛鳥の本心が分からない。 俺の切ない顔に気付いた飛鳥は首を傾げていた。 今がいいかもしれない、まだ飛鳥は俺の中にいる…言い訳出来ないようにしてやる。 「飛鳥、俺の事…飽きたのか?」 「いやいや、ここまでやっといて何言ってるんだ?」 「悪い…昼休みお前の後付けたんだ」 飛鳥は目を見開いた、それだけで俺が何を見たのか分かったのだろう。 とりあえず引き抜こうと動く飛鳥の腕を掴み止めた。 ちょっと擦られて力が抜けてしまったが逃がさないという強い瞳で飛鳥を見た。 すると飛鳥は「分かった」と諦めのため息を吐いた。 どんな内容でも受け入れようと思った、だから嘘と逃げる事はしてほしくない。 その結果、身体を重ねるのは今日で最後だとしても…

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