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第81話

「あっ、ちょっ!もっとゆっくり!」 「無理だっ、一度出すからな!」 そう飛鳥が言い終わるのと同時に腹の中が熱くなった。 そして息を整える暇もなく、再び揺さぶられた。 同時に俺のを刺激され、俺ももう限界が近かった。 途切れ途切れだった声は飛鳥の深い口付けで遮られた。 くぐもった声を出しながらも刺激は止む事がなく、ぐちゅぐちゅというやらしい音で耳まで間接的に犯されている気分になる。 我慢出来なくて俺も飛鳥の手の中に欲望を吐き出した。 「あっ、はぁ…あ、ん…」 「…まだいけるよな、俺の愛はこんなもんじゃねぇぞ」 まだまだヤる気の飛鳥に冷や汗が出る。 飛鳥、今日は寝ないつもりなのか? そして俺がやっと解放されたのは朝の5時だった。 ーーー 「…ん」 耳に機械的なアナウンスが聞こえて重い瞼を開く。 電車の揺れるリズミカルな動きで寝てしまったようだ。 もうすぐ、実家がある駅に着くから立ち上がる。 寮では三時間しか寝れなかったからな、実家帰ったらすぐ寝ようと心に誓った。 しっかし、同じ時間しか寝れてない筈の飛鳥は何故あんなに元気だったのか。 「いつもの事だ」って言ってたけど、アイツ普段どんな生活してるんだよ。 寮前で飛鳥、紫乃、始と別れた。 皆それぞれ違う街に住んでいるから当然と言えば当然だけど… 紫乃と始とは遊ぶ約束をしているからその日までまたねと別れた。 …飛鳥とは何の約束もしていない。 「飛鳥、あ…あのさ…」 「ん?なんだ?」 荷物を持ち、歩き出そうとする飛鳥を呼び止めた。 いつもみたいに誘えばいいのに上手く言葉に出来ない。 自然と目元が熱くなる。 永遠の別れじゃあるまいし、何泣いてんだよ…俺。 飛鳥は俺の頭をくしゃくしゃに撫でた。 そして俺に微笑んだ。 「…優紀、夏休み…どっか行くか?二人で」 「え?」 「………嫌なのか?」 「い、嫌じゃない!」 「そうか、じゃあ予定空いたら事前に連絡するから空けとけよ」 「おう」 そう言って飛鳥と別れた。 にやけてしまう顔を引き締めようと頬を軽く叩いた。 そして俺も歩き出した。 それがついさっきまでのやり取りだ。 俺も飛鳥が大丈夫な日まであまりバイト入れない方がいいよな。 とりあえず7月は飛鳥忙しそうだったからみっちりバイトを入れている。 ……明日早速バイトだから今日はもう家帰って寝る事しか考えていない。 電車を降りると強い日射しで目を細める。 手をうちわのようにしてあおぎながら歩く。 汗ベタベタだ、寝る前に風呂入ろう。

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