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第6話 暴力サド看護師

病室に案内された俺は、そこにたどり着くまでに見た光景が凄まじいものでかなり引いた。 まず病室はナースセンターにしかエレベーターがない。 エレベーターからナースセンターに入るまでに鍵付きの重い扉があるということ。 そしてそのナースセンターと病室へ繋がる扉にも鍵付きの重い扉があった。 驚くのはまだある。 ナースセンター前の病室の前を通ったときに見たベッドに寝かされたお爺さんは白い拘束具(ベルト)で腰をベッドで止められていた。 「……ねぇ、看護師さん。あれやり過ぎだよね」 俺が言葉を挟むと、初老の看護師Aさんは、 「五月蝿いねぇ、栄さん。あんたは自分のことだけ考えてれば良いんだよ」 こわっ!! 何ですか、ここは『監禁病棟』ですか?! そうこうしているうちに、俺の病室の502に到着した。 入ってびっくり、中庭が大きく見える病室だった。 結構開放的な個室なんだな……と思ったけど、肝心なものが無かった。 「看護師さん、……カーテンがないんですけど」 「必要ないな、うちの病院は隔離病棟」 「は?!」 「精神科にカーテンを付けたら引きちぎって首を吊るのが関の山だ」 そう言って看護師Aさんは俺のギブスした左腕を掴んだ。 「いててててっなにす……」 「一応あんたは怪我人だから。化膿止めの点滴するからベッドに横になれ」 まぁ、化膿止めなら仕方がないから、俺は大人しくベッドに横になった……とたんにあのお爺さんと同じ拘束具(ベルト)を俺に装着した。 「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!!いてっなにすんだこの暴力サド看護師A!!」 「誰が暴力サド看護師だ!!この病院で点滴するときは、強制的に縛るのが決まりなんだから大人しくしろ」 いくら看護師Aさんでも女だ。 きっと俺が負けたのは怪我人だからだろう。

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