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第7話 初対面のゆりちゃん
「看護婦さん、そのお兄さん今日入ってきたの?」
「ゆりちゃん、こいつ凶暴だから病室入ったら駄目だからね」
病室の前に中学生位の男の子がいた。
「でもゆりも寝るとき、ベルトするよ」
え?!
じゃあこの男の子も凶暴なのっ?!
俺は内心驚いていたら、
「ゆりちゃんはベルトがないと寝相が悪くて落っこっちゃうって言っただろう」
「……だよね、まさかこんな少年を拘束するはずかないよな」
そう俺が呟くと看護師Aさんは、ばつの悪そうに下を向いた。
「お兄さん、その怪我どおしたの?看護婦さんに虐められたの」
「お馬鹿なゆりちゃんだねぇ。看護婦さんがそんな酷いことするはずないだろう」
「じゃあ、お兄さんはヘルパーさんに虐められちゃったんだ」
「ゆりちゃん!!あまりちょっかい出すと痛いお薬お尻に刺すよ」
すると『ゆりちゃん』という男の子は脱兎のごとく逃げ出した。
あの男の子は俺を助けてくれたのだろうか。
なんにせよ、
「……不思議な子だな」
「……あの子も可哀想な子なんだよ。ここにいる人間はね……」
なんだか暴力サド看護師Aさんが寂しそうな顔をした。
だから俺は、
「看護師さん、あの『ゆりちゃん』って男の子……」
「ゆりちゃんは良い子だよ。変わってるけどなかよくやりなよ、栄さん」
そう言った看護師Aさんは俺の右腕に点滴を二種類掛けた。
「化膿止めと安定剤の点滴が終わるまではベルトはずさなからな」
「俺に安定剤は必要ないっ」
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