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第24話 恋の成せる仕打ち

それから数日が立ったある日の昼飯のあと……確か風呂のない日だった。 「やだやだぁっ、ゆりはもうお薬飲まない!!」 それまでは普通にゆりちゃんは昼飯を大量に食べこぼしながらも終えて薬を飲む時間だった。 少し離れたところに座ってご飯を食べていた角地さんが『お姉ちゃんと義理のお兄さんから連絡があってお昼過ぎから夕方まで外出の許可が出た』と自慢し始めたのが切っ掛けだと思う。 そういえばゆりちゃんの両親は俺もまだ見たことがないし、気になっていた。 「ゆりちゃん我が儘言わない!!」 暴力サド看護師Aさんは、Bさんと協力して無理やり薬を飲ませていた。 「ゆり、パパとママに会いたいだけなのに」 ゆりちゃんは脱兎のごとくホールから逃げ出した。 俺は少しやりすぎなんじゃないかと思い、看護師さん達に抗議した。 「これっていくらなんでも少しやりすぎじゃないですか」 「尻が青臭い栄さんが一丁前にあたし達看護婦にお説教かい?」 と、まだ治りきっていない左腕の骨折をぎゅっと握られた。 「いててっっ……。看護師さん、看護師っていう仕事は患者さんを治す為に手伝う仕事じゃないんですか?!」 俺はそれでも食って掛かった。 「栄さんにはお仕置きが必要みたいだね!!いいよ、看護婦さんが休み時間削ってたっぷりお仕置きしてあげるから、片付け終わったらナースセンターの前においで!!」 ……。 「ご愁傷さま」 山本さんは俺の背中を叩いて薬を済ませて部屋に戻っていった。 なんでこんなことになっちゃったんだろう……。 これはきっと『恋の成せる仕打ち』だと覚悟して、俺は薬を済ませて片付けをしてからナースセンター前に向かった。

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