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第28話 『亮』の告白

「……俺は笹倉が小学生の頃から好きなんだ」 ということは、同級生だったんだろう。 「最初仲良くしたくて、覚えてもらおうと尽くしてた。でも笹倉は、ちょー天才だけど『俺に興味が持てなくて覚えてくんなかった』」 そういえば、『笹倉 叶』は杉原兄意外とあまり一緒にいるところは見たことがないな、と思い出した。 「綺麗な笹倉を汚せば、俺と同じになると思っちゃって。俺は笹倉を虐めたんだ」 「……え?」 「ちょっと虐めすぎたら……笹倉はおかしくなって。笹倉は中学を転校した」 『笹倉 叶がおかしくなった』? そこは俺には理解が出来なかった。 俺から見た『笹倉 叶』は、容姿、学力、性格、全てにおいて完璧な後輩だった。 「そんな笹倉が……俺じゃなくて『兄貴に興味を持った』んだ」 そうか……、『笹倉 叶』は杉原兄が好きになったのか。 だからあの二人はいつも一緒にいるんだ。 多分今も。 「悔しくて……俺は『笹倉を殺して、俺も死のうとした』」 ……え? 「杉原さん!!」 「こら、栄さん!!あんたこれ以上聞くなっ」 「っおかしいのは、狂ってるのは俺だったんだ。これは分かってるんだ!!でも、今更止めれないっ」 『亮』が大声を出すと皆がホールに集まってきた。 「……でもさ、今日は兄貴の誕生日なんだ。……俺は『兄貴も尊敬してる』し『憎い』。だから……感情が分からない、コントロールしきれないっ」 『亮』は暴力サド看護師さん達に連れられて保護室に戻されていった。 「ねえねえ、亮ちゃんの声が聞こえたんだけど……保護室から出てこれたの?ゆりも亮ちゃんに会いたい」 ゆりちゃんが登場したのは『亮』が保護室に戻されていった後で、俺はゆりちゃんに『亮』と何を話していたか聞かれたけど、何も言えなかった。 それは『亮』とゆりちゃんの『何処が同じ』なのか、俺が知りたくなかったからだった。

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