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第45話 残った数日間、俺は

俺が保護室を出たら、向かいの廊下にゆりちゃんが座ってた。 「ぅわぁんっ!!みっちゃんっ……ごめんね、ゆりのせいでっ」 ゆりちゃんが泣きながら俺に抱きついてきた。 あぁ、もう俺得でしかないけど、もう時間がないんだった。 「ゆりちゃんのせいじゃないんだよ!!おっおおお……お俺は元から、ゆりちゃんが好きだったんだから」 「ぅぇっ……くぅっみっちゃ……ん」 「……残念だけど、俺は退院しなきゃならない」 「ゃだ……やだやだゃだょっ」 案の定ゆりちゃんの大きくてクリクリの瞳から大量の涙が溢れてきた。 「俺の一番はこれからもずっとだから退院するこれからの期間は、俺はだから、知って欲しい!!」 恥ずかしい愛の言葉を俺はゆりちゃんの両手を握ったままで噛まずに言ってのけた。 それでも俺には免疫がなくて……まともにゆりちゃんだけを見ていられなかった。 これで出来ていたらカッコイイんだろうけど。 「……みっちゃんの一番は?」 ゆりちゃんは急に泣き止んでくれて、俺に確認してきた。 俺は恥ずかしくて消えたかった。 だってさ……山本さん、永田さん、そして幹さんと数人と見物人もいるんだもん。 でも俺も男だ、真剣に答えた。 「……うん」 すると横から俺の頭をバシッと叩く人がいた。 「何吹っ切れてラブシーンなんてしてんだ、あんた。気持ち悪いんだよ、栄さん」 暴力サド看護師Aさんだった。 でも何故かその突っ込みには『色々な思い』が詰まってそうで不思議な気持ちだった。 こうして数日間、俺はゆりちゃんに慣れない『』になった。

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