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第38話 コイツ王子じゃねぇ

なんていったか、もう一度お願いします。 「学校で俺はいつも食堂で食べてる」 それは知ってる。 昼になると、友人二人が迎えに来て三人で歩いて行くのを見てるから。 ちなみに俺は教室で弁当派だ。 「行ったらあちこちから声が掛かって、何処に座っても気を使うんだよな…。つまり面倒臭い」 王子なだけに、愛想よくしなくちゃならないのか…。 「大変だな」 「世の中上手くやっていくには、大切なスキルだろ。バカか」 同情してやったのに、バカって言われた。 それ、酷くない? 「バカにバカって言ったらダメなんだぞ。知らないのかよ」 「あ?」 怖っ。 その整った顔で冷たく睨まれると、背筋に変な汗が流れてくる。 触らぬ神に祟りなしというからな。 「なんでもないです」 素直に引いておいた。 それにしても…と、俺はオドオドしつつもそれを悟られない様に神を見た。 上から目線のその態度。 王子? こいつ、全然王子じゃねぇし!

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