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第47話 不機嫌な王子様
力尽きていると誰かが、俺の机の横に立つのが気配で分かった。
健太?
「おい」
…… ん?
「なんで今朝、眉毛の散歩に来なかった」
「!!?」
って、この声?!
ガバッと起き上がると、そこには間違えようもないキラキラオーラを放つイケメンが、不機嫌丸出しで立っていたのだった。
不機嫌というのは口調と眉間の皺で分かるが、オーラだけは無駄にキラキラさせているので、不思議なコントラストを生んでいた。
ほぇ~と感心して見ていると、神が俺の机に片手をついた。
反対の手は腰に当てていて、これもまた無駄にモデルポーズで決まっている。
すると、ザワザワッと教室が揺れた。
だろうよ。
教室が騒ぐ気持ちも分かる。
だって今まで一度も接点の無かった俺たちが、話をしているのだ。
しかも話しかけてたのが王子ともなれば、一体どうした?何事だ?となるわけで。
因みに、神から他人に声を掛けることは滅多にない。
いつも相手が寄ってきて、話しかけているのが常だ。
あったとしても、親友の二人か授業や学校で必要な用件に関してだけだ。
だから今のこの状況は、はっきり言って天変地異の前触れともとれる出来事なのだ。
「…で、え~っと…何?」
「あ?」
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