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第48話 何のことでしょう?
なんか神が話しかけてくるのに驚いて、何を話しかけられたかサッパリ聞いてなかった。
許してくれ。
う…その怖い顔やめて。
「何じゃねぇよ。おまえ…今日の朝、眉毛の散歩に来なかっただろうが」
え、なんで散歩に行ってないの知ってるの?
俺がキョトンとして見上げると、神がグッと息を詰めた。
「…なんだ、そのアホ面は」
アホ?
アホって言った?!
「なっ、アホって、酷っ!!」
「どうでもいい。なんで今朝公園に来なかった」
公園?
朝、公園に…って。
「えっ?もしかして神、」
キーンコーンカーンコーン、
「おーい、HR始めるぞ~!」
丁度チャイムが鳴るのと同時に、担任の長内(おさない)が入ってきた。
俺たちを遠巻きに見ていたクラスメイトも、仕方なく各々の席へと着いて行く。
その中に健太の姿もあって、こっちをチラチラ見ながら席へと座っていた。
コツコツと机が軽く叩かれて、俺は意識を戻した。
「…話の続きは後でな」
そう言って、神は席へと戻っていった。
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