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まさか…俺は…

 家の玄関を開けようとしたら、 「っ、あいつ出かけたか…」  俺は鍵持って出なかったから、こういう時用に置いてある郵便受けの蓋の裏手にくっつけてる鍵を取って、家に入った。  荷物を自分の部屋に置いて、身体中のベタベタを洗い流すべくシャワーに行った。 痛ってぇな。  体を洗ってる時にちんこを洗うのをちょっと躊躇した。 「あの人が触った訳じゃねぇんだし、なに緊張してんだよっ」  洗ってる時に自分の手の感触と泡で、 「んっ、…ん?。何やってんだよ俺!。…」 …でも、触っちまう…。 「んっ、あっんっ……」 出ない。 「なんか違う…。物じゃねぇと無理、とか?」  デッカかったのに、小ちゃくなっちまった。 「あー!、馬鹿らしいっ」  全身にシャワーを浴びて、服を着て、部屋に向かうためにドアを開けた。そしたら、さっき帰ってきましたと言わんばかりの晴香が愛用のヘッドホンを首に下げて、ちょうど俺とばったり会った。 「おっ。おかえり」 「ただいま、って日曜の真昼間っからなんでお風呂入ってんの?。…あっ、まさかオナってたな〜。って、あんたに限ってないか…」  俺の肩を人差し指でちょんちょんつつく。勝手な解釈で自分の部屋に向かった。 「おいっ、勝手に解釈すんなよっ。暇だったからシャワー行っただけだよ」 「へぇ〜、『暇だった』ねぇ〜。まあ、弟の性事情までイジる気は多分ないからさっ」  ドアを閉める前に、廊下にたたずむ俺をニヤリと笑ってドアを閉めた。 「面倒くさい奴に…。…」 てか、出なかったってことは、俺は高藤さんじゃねぇとダメなのかな。  俺は部屋に戻って、頭を整理した。 「俺はいわゆるホモなんだろうか…。でも、ナヨナヨしたいわけじゃねぇし、化粧にも興味ねぇし。あっ!」  他の男でドキドキするか、俺は今流行りに流行ってるタレントの『鮎川真守』を検索した。 「・・・」 なんとも。確かにカッコいいとは思うけど、別に…。 「じゃあ、俺は、本当に…。違ぁぁぁあう!!、俺は普通の恋がしたいんだぁぁ!」 初恋が男だなんて嫌だ!。もっとこう、可愛い女の子と同じクラスになって、俺のこと好きっていう噂を聞いて、放課後の教室に呼ばれて告白されるっていうのがいい!!。 「でも、これが俺の本心なら…。あぁ!、寝る!」  ベッドに飛び乗って、布団もかけずに寝た。今の季節は真夏だから暑いくらいなんだよ。

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