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第6話
シエルは復讐を誓い、メジエールの門外にポツンと残されていた小さな船に乗って、1番近い国までたどり着いた。
国が滅ぼされ1か月が経っているが、
世間の話題は未だメジエールの滅亡。
そして、ペリグレットの繁栄だ。
「ペリグレット……」
シエルは新聞を破り捨て、
その忌まわしき文字を踵で踏みにじった。
後先考えず、ペリグレットへ乗り込もうと意を決した時だった。
「そういえば、メジエールの第一王子?その遺体だけ見つからなかったらしいぞ」
「あー、聞いた聞いた。国中隈なく探してもいなかったらしいな。どこかへ逃がされたんじゃないかって、専らの噂だろ?」
「絶世の美女なんだって?一度は拝みてぇな〜」
シエルは冷や汗をかいた。
自分の生存が世間にバレている。
捕まえられたら、殺されるかもしれない。
両親や国のために、復讐をしなければならないのに。
ましてやこの目だ。
世にも珍しい翠と紅のオッドアイ。
目を見られたら確実にバレる。
シエルは裏道へ逃げ、ゴミ捨場にあった大きめのフードを被った。
夜になり、体が食べ物を欲するが、下手に街へ出ることはできない。
ギュルル〜〜………、と大きくお腹が鳴った。
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