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第24話
翌日、アルベールが地下牢を訪れた。
しかし、扉を開けた瞬間、
ウッと鼻をつく匂いが漂い、アルベールはシエルに目を向けた。
シエルの周りには吐瀉物が散乱していて、近づけるわけもなく、アルベールは隣の牢に入れていた奴隷の首輪を引き、シエルの牢に蹴り入れた。
「そいつの周りを綺麗にしろ。1時間後にまた戻ってくる。いいな?」
「かしこまりました、ご主人様。」
その奴隷はアルベールが踵を返し去って行くまで頭を下げ、足音がなくなったのを確認してから、シエルの前に立った。
女の奴隷は四つん這いになり、シエルの吐瀉物が散乱した石の床を舐め出した。
嫌悪感を全く表情に出さず、奴隷はペロペロと床を舐め回し、シエルは絶句してその奴隷を凝視した。
身を売られた奴隷たちは、こんな酷いことを強いられているの?
生きていることに諦めたような、真っ黒で輝きのない奴隷の瞳を見て、シエルは自分もこれからこうなってしまうのかと絶望した。
「う、わぁ!?な……、なにっ?!」
「お体も汚れておりますので、綺麗にさせていただきます」
女の奴隷はシエルの体に舌を這わせ、体に飛び散った吐瀉物まで綺麗に舐めとった。
全ての吐瀉物を舐め終えた奴隷はまた四つん這いになり、扉の方向を向いて静止した。
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