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第37話
何時間眠っていたのだろうか。
シエルは寝すぎてボーッとする頭を抑えながら辺りを見渡した。
窓もなければ時計もない。
本当に情報が何もなくて、時間も日付も分からず、どうすればいいのか考えるが、何も思い浮かばない。
ぐぅ〜とシエルのお腹が鳴って、そういえば奴隷として連れてこられた日から、何も口にしていなかったと思い出した。
しかし、鎖で繋がれていて何もできないシエルは、ベッドでゴロゴロと転がるしかなかった。
ころん…と、転がった時にふと、ベッドに温かさを感じた。
もしかして、さっきまでここにアルベールが寝ていたんじゃないのか?
シエルが温かさの残るシーツに頬ずりしていると、扉が開き、アルベールが部屋に入ってきた。
「何してる」
「ぁ……、アルベール……」
「呼び方。気をつけろと言っただろ」
お盆に一人用の陶器の鍋と器を持って、それをベッドサイドに置き、アルベールはシエルの頭元にある椅子に腰掛けた。
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