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第47話
シエルはズキズキと痛む頭を抑えながらまた扉に目を向けた。
アルベールが来てくれなかったら、もう自分は死ぬんだろうな…。
シエルがスッと目を閉じた瞬間、
ガタンッ!!と物凄い勢いで扉が開いた。
シエルが驚いて目を開けると、急に顎を掴まれて口を塞がれた。
アルベールだ……。
そう分かった途端、シエルの目から涙がぽろぽろと溢れた。
アルベールの口から水が送り込まれ、シエルの渇ききった喉が少しずつ潤いを取り戻す。
送り込まれた水を全てシエルが飲み込んでも、その唇は離れることはなく、お互いの唾液を交換するように舌を絡み合わせた。
シエルの息が続かず、ぷはっと唇を離すと、アルベールはまた口に水を含んで、シエルの口を塞いでそれを流し込んだ。
「んっ…、んん……!ぷぁっ……」
またそれをごくんと流し込んで、シエルはまた水を飲まそうとしてくるアルベールの胸を両手で押さえた。
「ま、待って…!」
「なんだ?」
「自分で、飲みます……」
アルベールの手から水の入ったボトルを奪い取り、コクコクと全て飲みきった。
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